もう2度とやってこない。
白い綿たちが音も無く静かに落ちてゆく。
メリークリスマース!と叫びたくなったが今はもう2月かな。
朝起きて窓を開けるとふわりふわりと雪が降っていた。
外には誰もおらず、降っている雪たちがぜんぶ自分だけのもののように感じた。
去年は1度も降らなかったので、雪を見るのはとても久しぶりだ。
どうやら降るのは朝だけみたいだね。
滅多に見れるものでは無いものだからこそ、それは見ていて美しく、美しいものは、それを独占するからこそ見ていて気分が良い。
初恋をした人が10年ぶりにその当時の姿のまま夢に出て来て、夢の中で私と2人きりで楽しくお喋りをしている夢を見た。
夢が覚めると、もう2度と味わえない体験なのだろうということを悟る。
そういう儚く美しい体験を求める人生というのも面白いものだろうね。