自分だけの力で金を稼ぐ見通しは、未だに立たない。何の技術も持たない素人が、どれだけ芸術に花開かせようとも、金を運ぶミツバチは1匹も寄って来ない。まぁ、当然といえば、当然だ。

自分の芸の無さに絶望してから２年。「鍛錬だ！修行だ！」などと自分に言い聞かせながら僕は自分を奮い立たせてきたが、昔と今で、芸術レベルは大して変わってない気がしている。

芸術レベルを高めるためには表現活動を続けていく他無いのだが、こればっかりは何をどうあがいたって、いつまでも理想が見えて来ない。いや、確とした理想はあるのだが、それを目に見える形でもって表出できないのである。

そのモヤモヤを解消するためには、いくら悩んだってダメで、もう後にする事といえば、個人的に興味を惹いた芸術作品を片っ端から鑑賞していき、自分の理想の形とするものが何なのかを探し回るくらいしか思い付かない。

そうなると、表現活動の毎日とういうよりかは、消費活動の日々となって行って、理想も見つからなければ、無鍛錬のまま時が過ぎ去るという負のルーティンがいつの間にか完成されてしまっている。

自分の理想を、他人の作品から見出そうとしたのが、そもそもの間違いだったのだ。自分に似た理想は見つけられても、完全に一致した理想は見つからない、それはたぶん自分自身の表現活動によってしか生み出されないものなのだ。

気に入らなくても、表現し続ける。

本当に、それしかないし、もう他に逃げ道は無いのだろう。

貯金も無ければ、歳も取って来た。

嫌な焦りが、年々強くなって来たように思う。

でも、泣き言は言ってられない。

どんなに泣いたって、明日はやって来てしまうのですから。