規則なんて言葉は昔からヘドが出る程キライな私であったが、今更になってようやく規則の有り難みを自覚したかもしれない。カイヨワが「遊びと人間」の中でも言っていたように、遊びもルール(規則)が無ければ成り立たない。どれだけ自由を愛する人間にとっても、そこに規則という相反する概念を持ち込み、アンビバレントに取り組まなければ、持続可能な自由目標は達成し得ないという訳だ。

1日のほとんど全ての時間を自由に扱うことのできる無職が文字通り自由に過ごした場合、何が起こるのかというと、微睡みに拘束されるのである。1日の大半を眠りに消化され、気付いてみれば全くもって自由な時間が無い。自由気ままに過ごした結果、極めて不自由な日々を送るという悲劇がそこにはあるのである。

この悲劇に出くわさないためにも、今一度小学生時代を思い出し、1日のうちの時間割を事細かに決定し、その規則通りに日々を過ごすことを再度やる必要がある。前にも一度しっかりと自覚したはずである。「ルーティンを持たない人間は必ずや成功しない」と。修行における辛さを少しでも和らげるべく、ルーティンを再び日常に取り戻そうではないか。