無敵マンのニート日記

臆病な性格をした無職。自由主義者。 Twitter→@mutekiman_xxx

自由主義者の臆病な性格をした無職が、人生の一コマを書き連ねております。Twitter→@mutekiman_xxx

ゲージの中の太朗。

小学生くらいの頃、ハムスターを飼っていたことがある。


名前は太朗。名前の由来は不明だ。


太朗は初めてのペットということもあり、大事に育てた。


1週間に1回はゲージ内を掃除し、毎日エサをやり、回し車や布団も与えた。


まさに何不自由ない環境を与えて、愛情をもって育てた。


しかし、太郎はよくゲージから逃げ出す癖があった。


しっかりとゲージの蓋を閉めているのにも関わらず、朝起きると、ゲージに太郎の姿が見当たらないのだ。


脱走した日は家族総動員で太郎を捜索したものである。


だいたいは、タンスの裏や、冷蔵庫の下などの隙間で発見された。


死の直前も太郎は脱走した。


太朗が最後に脱走した日は、なかなか見つからなかった。


見つけたのは、逃げてから2日目の朝。


押入れの奥にある、収納の下、埃だらけのところで見つかった。


太朗はひまわりの種を口いっぱいにつめこみ、冷たくなって死んでいた。


その日俺はめちゃくちゃ泣いた。


なぜ、太郎は最後の最後まで脱走したのだろうか?


見つかりにくい場所に隠れ、口に多くの食料を貯め込んでいたことから、おそらく太郎は前々から大脱走の計画を練っていたのだろう。


しかし、太郎は夢の途中で力尽きた。



今の俺は、太郎よりひどい。


この狭い部屋というゲージにひきこもり、ゲージから本気で脱出しようとすらしていない。


俺は、勇気や行動力の面で、死んだ太郎を見習わなければならない。


太朗。俺がんばるからな!!


あの世で待ってろよ太郎!!

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