俺は他人の目を気にしてしまう。
俺はひどく他人の目を気にしてしまう癖がある。
俺は他人と目が合いたくないので出来るだけ他人の顔を見ないようにするのだが、こちらが相手を見ていない時でも、俺は相手がこちらを見ているか見ていないかというのが分かってしまう。
なんというか、俺の目は草食動物のように視界が広い構造になっているのかもしれない。
相手が俺の目線の斜め45度にいたとしよう。この場合、さすがに相手の目までは見えないが、相手がこちらを見ているかいないかが、相手の動作だったり、雰囲気で確実に分かってしまうのだ。
そういったとき、俺は他人と目を合わせたくないので、相手がこちらを見ていることを知りつつも意図的に見ないという状況が発生する訳である。
これがなんとも気持ち悪い状況で、うざったいのだ。
他人に見られているということが俺にとって心を乱される要因の一つとなっている。
そもそも俺はなぜ他人と目が合いたくないのかというと、他人と関わりたくないからだろう。
目を合わせるという行為は相手に挨拶したり、相手と話したり、何かしら相手と関わる時に行うべきもので、関わりたくもない他人と目を合わせること自体おかしなことなのだ。
例えば電車の中だったり、街中を歩いているときだったり、この先もう会うこともないであろう他人と目を合わせるなんてこと自体何の価値もないし、それはもう時間の無駄ともいえる。
それなのに他人が明らかにこちらを見ていることが分かった場合、俺は見たくもない他人を見返すことによって目が合ってしまうという状況になるのがとてつもなく嫌なのだ。
視界に入れたくないのに嫌でも視界に入ってしまうほどこの世には他人が溢れかえっている。
だから俺は外出が嫌いなのだ。
だが、視界に入れたい人間も中にはいる。
それは美しい人間。
男性で美しい人はそうそう見かけないが、女性には美しい人が多い。
ちなみに男性で美しい部類に入るのは、男性らしい男性。つまり筋肉隆々で顔つきも男らしい男性のことを俺は美しいと感じる。日本には女々しい男が多いためそうそう見かけることはない。
この日本には本当に女性らしい女性というのが多い。皆見た目に気を使って、お化粧したり、可愛らしい服を着たり、髪型にしてもほとんどの女性がこぎれいにしている。
そういう美しい女性に遭遇した時はジッと見てしまう。相手がこちらに気づいて目が合ってしまうと、嬉しい気分にもなるが、なんだか恥ずかしい気分にもなったり、目が合っても所詮関わりを持つことができない他人なのだろうなと思うと悲しくなったりもする。
ジッと見るのは相手の気分を害する恐れもあるので、俺はあなたの事を見てませんよという風に時々違う方を見たり、そういう配慮はもちろんするが、やはり美しい女性は見てしまう。
たまにめちゃくちゃタイプの女性を電車で見かけたりするのだが、そうした時は本当にどうすれば関わりを持てるのだろうか。
結局何も出来ないまま、もう会えないのかと思うとすごい虚しくなる。
書いていて気づいたが、俺はもっと女性と関係を持てる場に積極的に出向いた方が良い気がしてきた。
話がそれたが、他人の目を気にしないようにするにはどうすればよいのだろう?
常に考え事をしたり、景色を楽しんだり、スマホを見たり、音楽を聴いたり、それぞれのことに集中して取り組んで入れば、他人のことなどどうでもよくなるはずなのである。
俺は常に何も考えていないか、中途半端に考えが途切れる為、たまたま目に付いた他人に心をかき乱されてしまうのだ。
何事もにも集中して取り組む。
特に空いた時間には好きな事を集中して取り組む。
これが他人を気にしない方法なのかもしれない。
どうでもよい他人のことなど気にしてどうするのか。
俺はなんと愚かな馬鹿野郎なのか。